小太刀 銘 来国俊・黒漆蛭巻太刀拵
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 498
- 種別: 工芸品
- 国: 日本
- 時代: 鎌倉時代
- 指定年月日: 1912年02月08日
- 都道府県: 栃木県
- 所在地: 栃木県日光市
- 所有者名: 二荒山神社
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
鎌倉時代中期から後期にかけて京都で活躍した名工、来国俊(らいくにとし)の手による小太刀と、それに付属する太刀拵(外装)のセットです。栃木県日光市の二荒山神社に伝来し、優れた制作技術と当時の武備の姿を現代に伝える極めて貴重な文化財として国宝に指定されています。
歴史的背景
日光二荒山神社は古くから武家信奉が厚く、多くの名刀が奉納されてきた歴史を持ちます。本品も、時の権力者や有力な武将が神威を畏敬し、最高級の品を奉納したものと考えられます。制作者の来国俊は、山城伝(京都)の主流派である「来派」を代表する刀工であり、彼の作品は鎌倉時代の美意識と洗練された技術を象徴しています。また、付属の拵も刀身とほぼ同時期の制作と推定されており、当時の武士の精神性を色濃く反映しています。
特徴と魅力
本文化財は、刀身の精緻な職人技と、機能美を追求した外装の両面において高い価値を有しています。
- 来国俊による優美な刀身: 「来国俊」の三字銘を持つ作品は、身幅が細く優美な姿が特徴です。本小太刀も、直刃(すぐは)を基調に小乱れが混じる静謐ながら力強い刃文を持ち、鎌倉時代の格調高い美しさを体現しています。
- 実戦的で質実剛健な「黒漆蛭巻太刀拵」: 鞘や柄に金属板などを螺旋状に巻き付ける「蛭巻(ひるまき)」技法が施されています。全体を黒漆で塗り固めたこの外装は、補強と装飾を兼ね備えた実戦的な造りであり、鎌倉武士の質素かつ機能的な美学が感じられます。
- 完全なセットとしての保存状態: 鎌倉時代の傑作刀身と、それに対応する当時の拵が揃って伝来している点は、美術工芸史および歴史資料として極めて高い価値があります。日本刀の「用の美」の極致を示す至宝といえます。